初期研修1年目の夏、浜松にて開催された『若手医師の膠原病セミナー』に出席し、免疫リウマチ内科に進むことを強く意識したという古川先生。初期研修を含めてお話を伺いました。

小学生のころから・・・

 医師を志したのは小学生低学年の頃です。といっても、最初は数多くの人を救うために製薬会社で薬を作りたいと思っていました。今思うと、ませた子供だったのかもしれません。保健室の先生に「医師を目指してみたら?」と言われて、素直に医師になろうと考えたのを覚えています。 中学生になり、医学部に入るにはどんな高校に進めば良いのだろうと考え、出身地の愛知県で医学部進学率の高い東海高校に進みました。
 その後は、一度出身地から出てみたくて、この浜松医科大学に進学しました。

学生時代とIFMSA

 まず、大学での学業以外の活動の話をしたいと思います。高校ではラグビー部に所属していましたが肩を痛めてしまい、ホープという海外留学支援サークルに入りました。同時に世界最大のNGO団体でもあるIFMSA(国際医学生連盟)に所属し、医学生の交換留学を補助する活動を熱心に行いました。
 大学5年の春まで続けましたが、数多くの仲間と巡り合え、とても楽しく刺激的でした。なかでも2週間出張したインドでは、異文化交流を満喫しました。人が多く、良くも悪くもおおらかな国での活動は忘れられないものとなりました。IFMSAで知り合った医学生も今は医師になり全国各地で活躍しています。もちろん今でも交流をもっていて私の大切な私の財産です。 笑い話ですが、活動に熱中してしまい私自身は留学していません。
 もちろん学業も頑張りました。好きな科目でもあった解剖学では主席という成果を残すこともできました。小さな自慢です。

医師への第一歩 初期臨床研修

 初期研修は、浜松医科大学の「たすき掛けプログラム」を選択しました。最初の半年を大学病院で研修し、その後の1年を市中病院、最後の半年をまた大学病院で研修するプログラムです。
 私は当初から内科志望で、大学で研究や希少疾患の治療に触れることも大切に考えていました。反面、救急などは圧倒的な症例数をもつ市中病院で経験を積んでみたかったので、このプログラムは最適に思えたのです。事実、2年間の研修を経て満足しています。
 たすき掛けでは、浜松医療センターに在籍しました。浜松の医療を支える3次救急指定病院の1つです。ここでは初めて外科系の麻酔科や脳神経外科に興味を持ちました。慢性硬膜外血腫の手術にも立ち会わせていただき貴重な経験も積めました。紹介患者さんの多い大学とは異なり、コモンディジーズが豊富で患者さんもバラエティーに富んでいます。医学生や研修医の皆さんには医局に来ていただければ、私が経験した研修の裏話などを含めて、初期研修のポイントをお話しします。

免疫リウマチ内科との出会い

 研修1年目の夏に、私の進路を決める免疫リウマチ内科との出会いがありました。浜松医科大学の初期研修では、最初に内科系の診療科をローテートします。1診療科1ヵ月ですから、あっという間ですが、少なからず免疫リウマチ内科には興味を持ちました。しかし、決定的だったのは夏に行われた「第1回目若手医師の膠原病セミナー」に出席したことです。セミナーでは、ハンズオンで関節所見の取り方などをかなり実践的に指導していただき、免疫リウマチ内科への興味が深まりました。 同時に、将来専攻する科としての意識が芽生えました。
 シンプルにとても面白く感じたのです。

進路を定めたローテート

 浜松医療センターでの研修を終えて大学病院に戻った私は、選択科目を免疫内科に進むための準備として活用しました。免疫リウマチ内科の主要な疾患である膠原病は、全身に症状が現れることが多く、治療で投与するステロイドの影響もあり、皮膚科の知識が必要になります。また、合併症として間質性肺炎を引き起こすこともあり、呼吸器内科でも勉強しました。フレキシブルにプログラムを組めることも、浜松医科大学の初期研修プログラムの良いところです。

免疫リウマチ内科の医師として

 初期研修を修了する直前に、大学医局に入局するのか迷いました。この点では、研修先が大学だったこともあり、お世話になった当科の小川先生や(鈴木)大介先生の人柄と診療科の風通しの良さを信じることができ、入局を経て、4月から大学病院で診療にあたっています。
 病棟では入院患者さんのマネジメントを行い日々精進しています。金曜日には上級医の指導の下、新患外来も一人で行っています。これは専攻医1年目の私には大変なプレッシャーですが、紹介患者さんが中心のため事前情報があります。 しっかりと準備をして外来に臨み、上級医からのフィードバックをもらいます。
医師数の多い大学病院で困ったこともあります。勤務開始早々に他科の医師から相談や質問が飛んでくることです。研修医でないことを実感させられます。私は専攻医となった初日(4月1日)に質問を受けて冷や汗をかきました。3ヵ月が経って、ようやく先生方の質問にもなんとか答えることができるようになってきました。また難病でもある膠原病の患者さんへの説明やコミニュケーションの取り方も同様です。免疫リウマチ内科は手技が少ないため、自分の成長を実感しづらいと思っていましたが、案外そうではないのかもしれません。日々精進ですね。

医学生・研修医の先生へのメッセージ

 膠原病は全身に症状が現れるため、当科は全身を診たいという先生に、とても向いています。また疾患の種類も非常に多く、いまだ解明されていない難病に立ち向かう科でもあり、やりがいは大きいと思います。
 また、比較的大きな病院でしか標榜されていないため、変な言い方ですが都市部での勤務が中心になり転勤も少ないと思われます。
 さらに、患者さんの半数以上を女性が占めますので、女性医師の活躍の場も非常に広いです。この点では、診療科の特徴として手技が少なく長期に治療が必要な患者さんも多いため、女性の先生が産休を経て復帰される時にも戻りやすく、「外来のみ」「当直なし」など様々な勤務体系が可能です。
 ぜひ、一緒に静岡県のリウマチ・膠原病医療の担い手となりましょう。

あとがき

インタビュー中も等身大の医師として、話してくださった古川先生。笑顔をたやさない、あたたかい先生でした。 研究棟では免疫リウマチ内科の魅力もお話しいただけるそうです。医学生、研修医のみなさん、時間があれば尋ねてみてください。年の近い古川先生の出会いが、みなさんの医師人生のエポックになるかもしれません。