医学生の方へ To medical students
浜松医科大学 免疫・リウマチ内科 ホームページにアクセスしていただきありがとうございます。
免疫・リウマチ内科では、膠原病・自己免疫疾患を中心とした診療・教育・研究をしています。学生の皆さんは、膠原病・自己免疫疾患にどのようなイメージを持っているでしょうか。難病、稀少、学習のポイントがわからないなどがあるかもしれません。
我々が扱う疾患は、多臓器疾患であり、一般内科や幅広い内科疾患に興味がある方に向いています。関節リウマチでは、生物製剤の登場で、パラダイムシフトともよばれる大きな変化が起こりました。このように、基礎研究の結果が臨床に結びついており、研究分野としても非常に発展の余地があります。
このホームページでは、疾患や問題の解説などを通じて、学生の皆さんに役立つ情報を提供してゆきます。一人でも多くの方が当分野に興味を持っていただけると幸いです。
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3年生の皆さん
3年生の秋から当科の臨床講義が始まります。当科の扱う疾患は、多臓器疾患であることが特徴です。したがって、各臓器別の知識が乏しい中で講義を受け理解することは難しいかもしれません。診断、治療の基本的な考え方を中心に学習するようにしてください。臨床実習が始まるころにはすっかりと忘れてしまっていることもあると思いますが、一度しっかり勉強することはとても重要なことです。教科書として、塩沢俊一先生の膠原病学(丸善)をお勧めします。値段は高いですが、買う価値のある教科書です。比較的時間がある学年なので、ストイックな方は読破してはいかがでしょうか。その中に、「膠原病の主治医になるということ」という章があります。臨床実習前に一読してください。
5年生の皆さん
臨床実習が始まります。免疫・リウマチ内科は、3名の患者さんを各サブグループに割り当てます。実習の目的は、まず、実際の患者さんを通じてその疾患について学習し、治療と診察を経験することです。また、患者さんとのコミュニケーションや患者さんへの配慮なども大切なことです。レポートの作成に始終するような臨床実習にならないように、現場を体験し、それをもとに考えてください。免疫内科の主戦場は外来です。時間が許せば外来見学をしてください。診断や治療方針など、疑問があれば議論しましょう。私たちも気付かなかったような、よい提案をしていただければ診療に反映したいと思います。
選択ポリクリを検討している方へ
選択ポリクリとしての免疫内科は、その総合内科的な性格から、内科を復習するよい機会になります。以前よりきっと深く疾患を理解できることでしょう。選択ポリクリでは、症例発表をしていただきますので、2週間の実習ですと余裕がある実習ができません。4週間の実習をお勧めします。例年、希望により院内・院外での外来実習も行っています。
6年生の皆さん
卒業試験、国家試験といろいろ忙しくなりますが、これも一時の通過点にすぎません。医師免許をとるということは大切ですが、さらに大きな目標・目的に向かってほしいと思います。大きな目標を描くことで、モチベーションを維持してください。試験対策の参考に問題や疾患を解説するページを作りましたので少しでも役立てば幸いです。
免疫・リウマチ科の魅力と初期研修でのローテートの勧め
免疫・リウマチ科の魅力は内科総合診療であると同時に専門性があるところです。多臓器疾患であるため、皮膚、神経、腎臓、肺、関節など様々な臓器を診ますし、感染症の管理もしなくてはなりません。深い知識は各専門医には劣るかもしれませんが、広い視野で診療に当たることができます。また、症例ごとに様々な問題があり、難しい反面、やりがいがあり飽きることはありません。内視鏡のような技術はありませんが、膠原病・リウマチ疾患を診療することで身につく貴重な臨床経験はどこにいっても頼りにされるものです。
静岡県は専門医の数が十分でありません。基幹病院にも常勤医がいるところが少なく、我々が非常勤で診療しているところがおおくあります。富士や豊川から大学を受診される方もいます。これからの人口減少時代、相対的に医師も余ってくるかもしれません。いわゆるニッチな科としてその稀少性が武器になるのではないかと思います。
初期研修でローテートすることで、多臓器疾患を経験し、特に免疫抑制剤、ステロイドの使い方と感染症をはじめとする副作用への対応を学ぶことができます。しかしながら、専門科がある病院は少なく、単独としての科があるのは県西部では浜松医科大学、浜松医療センター、聖隷浜松病院のみです。将来、一般内科や総合内科を目指しているなら研修が必須の科です。また、皮膚科、整形外科、呼吸器科などを目指している方にとっても、きっと役立つ経験ができると思いますので、選択をお勧めします。逆に、免疫・リウマチ分野を専門としたいと考えている方には、初期研修でのローテーションを必ずしもお勧めしません。その時間を利用し、より幅広い分野を経験することが将来に役立ちます。初期研修後に是非、我々とともに膠原病・リウマチ疾患の克服にむけて歩んでいっていただきたいと思います。